「冷え性なので、体温も低いと思います」

カウンセリングでこう話してくださる方が多いのですが、冷え性と低体温は必ずしも同じではありません。

実は「冷えを感じているのに体温は平熱」という方も、「体温は低いのに冷えを感じない」という方も、それぞれ存在します。原因も、対処法も、違います。

冷え性と低体温、それぞれの定義

冷え性

感覚の問題

  • 手足・腰など特定の部位が冷たく感じる
  • 体温計で測ると平熱のことも多い
  • 血流の偏りが主な原因
  • 末梢への血液循環が滞っている状態
  • 上半身は熱く足は冷える「冷えのぼせ」も含む

低体温

体温の問題

  • 基礎体温が36度未満の状態
  • 冷えを感じにくい場合もある
  • 代謝・筋肉量の低下が主な原因
  • 熱を作る力が落ちている状態
  • 免疫力低下・疲れやすさにつながる

冷え性は「熱の配達が滞っている」状態、低体温は「そもそも熱を作る力が落ちている」状態——とイメージすると分かりやすいかもしれません。

あなたはどちらのタイプ?

冷え性タイプのサイン

  • 手足は冷たいのに、顔や上半身はほてりやすい
  • 夕方になると足がむくんで冷える
  • 長時間座っていると足が冷えてくる
  • ストレスや緊張があると冷えが強くなる
  • 体温計で測ると36度台はある

低体温タイプのサイン

  • 朝の体温が35度台のことが多い
  • 冷えを強く感じるわけではないが、疲れやすい
  • 風邪をひきやすい・治りにくい
  • 肌荒れ・むくみ・便秘が慢性的にある
  • 筋肉量が少ない・運動習慣がない

両方当てはまる方も少なくありません。冷え性と低体温が重なっているケースです。

冷え性の根っこにあるもの

冷え性の多くは、自律神経の乱れと筋膜の硬さが関係しています。

自律神経は血管の収縮・拡張をコントロールしています。自律神経が乱れると末梢血管の調節がうまくいかなくなり、手足への血流が滞ります。ストレスや緊張が続くと交感神経が優位になり、血管が収縮して冷えが起きやすくなるのはこのためです。

また、筋膜が硬く癒着すると血管・リンパ管の流れが物理的に妨げられます。骨盤まわりや太ももの筋膜が硬いと下半身への血流が滞り、冷えやむくみが起きやすくなります。

低体温の根っこにあるもの

低体温の主な原因は、熱を作る力の低下です。

人体の熱の約40%は筋肉が作っています。筋肉量が少ないと、それだけ発熱量が少なくなります。また、甲状腺の機能低下・栄養不足(特にタンパク質・鉄分)・慢性的な睡眠不足も低体温の原因になります。

デスクワーク・運動不足・過度なダイエットは、筋肉量の低下と栄養不足を同時に引き起こすため、若い女性に低体温が増えています。

東洋医学から見た「冷え」

東洋医学では、冷えを「気・血・水の滞り」と捉えます。

気(き)の滞り——自律神経の乱れ、ストレスによる血管収縮が主な原因。精神的な緊張が強い方に多いタイプです。

血(けつ)の滞り——血流の悪さ、筋膜の癒着による循環障害。手足が特に冷えやすい方、月経痛が強い方に多いタイプです。

水(すい)の滞り——リンパの流れが悪い、水分代謝の低下。むくみと冷えが同時に起きやすい方に多いタイプです。

スピラレの施術では、カウンセリングでどのタイプかを確認しながら、筋膜へのアプローチ・自律神経の調整・精油の選択を組み合わせて対応しています。

「冷え」が気になる方へ:
冷え性・低体温どちらの場合も、根本的な改善には継続的なアプローチが必要です。施術でできることは、筋膜を整えて血流・リンパの流れを改善すること、自律神経を整えて末梢への循環を促すことです。低体温については、筋肉量を増やす日常の取り組み(食事・運動)との組み合わせが特に有効です。

「冷え性だから」とひとくくりにするより、自分の「冷え」がどこから来ているかを知ることが、改善への近道です。

— 山口 美樹