東洋医学では、
イライラも病気のひとつです。
「イライラしてしまうのは、私の性格が悪いからだと思っていました」
カウンセリングでそう話してくださった方がいます。
違います。イライラは性格ではなく、身体のサインです。
東洋医学では、感情は身体の状態と切り離せないものとして捉えます。怒り・イライラ・焦り——これらは心の弱さではなく、身体の特定の臓腑に負荷がかかっているサインと考えます。
イライラは「肝(かん)」の乱れから来る
東洋医学では、イライラや怒りの感情は「肝(かん)」と深く関係しているとされます。
ここでいう「肝」は、西洋医学の「肝臓」とは少し違います。東洋医学の肝は、気(エネルギー)の流れを全身に巡らせる「気の交通整理役」です。ストレス・過労・睡眠不足・ホルモンの変動によってこの肝の機能が乱れると、気の流れが滞ります。
この状態を「肝気鬱結(かんきうっけつ)」と言います。
滞った気は熱を帯びて「上昇」しようとします。その熱が頭部に向かうと、イライラ・怒り・頭痛・目の充血・のぼせとして現れます。気が詰まって行き場をなくすと、溜め込んだ感情が小さなきっかけで爆発してしまう——それが「ちょっとしたことでカッとなる」という状態です。
あなたのイライラは、このタイプですか?
肝気鬱結タイプのサイン
- ちょっとしたことでイライラしやすく、後から自己嫌悪になる
- 月経前(PMS)や更年期にイライラが強くなる
- ため息が多い、胸がつかえる感じがある
- 脇腹・肋骨のあたりが張る・痛む
- 目が疲れやすい・乾く・充血しやすい
- 爪が割れやすい・筋肉がつりやすい
- 眠れる時間は確保しているのに眠りが浅い
3つ以上当てはまる方は、肝の気の流れが滞っている可能性があります。
なぜ春〜梅雨の時期にイライラしやすいのか
東洋医学では、春は「肝」の季節です。春の陽気は気を上昇させる力を持っているため、もともと肝の気が乱れやすい方はこの時期に特に影響を受けます。
そして春から梅雨にかけての気圧・気温・湿度の変化は、自律神経をさらに消耗させます。自律神経の乱れは肝の乱れと連動するため、この季節は特にイライラが出やすくなります。
「毎年この時期になると感情が乱れやすくなる」という方は、季節と肝の関係が影響しているかもしれません。
肝の気を整えるために、できること
日常でできる肝のケア
- 深呼吸・ため息を意識的につく(気を巡らせる最もシンプルな方法)
- 就寝前にストレッチで脇腹・肋骨まわりを伸ばす(肝経のケア)
- 酸味のある食材を取り入れる(梅・レモン・酢——肝の働きを助ける)
- 目を休める(肝は目と深く関係しているため、スマホ・PC を減らす)
- 怒りや感情を「身体のサイン」として受け取る(自己嫌悪にならない)
そして、最も根本的なケアは「気の流れを物理的に整えること」です。
筋膜が硬く気・血の巡りが滞っていると、いくら気持ちで「落ち着こう」としても身体が追いつきません。深筋膜リリースで全身の筋膜を解放し、特に肝経が走る脇腹・内ももの筋膜に働きかけることで、気の流れが回復していきます。
スピラレでのアプローチ:
カウンセリングで「最近イライラしやすい」「感情の波が激しい」とお伝えいただくと、肝経に沿ったアプローチを施術に組み込みます。精油はベルガモット・ローマンカモミール・クラリセージなど、肝の気を流す作用のあるものを選びます。「施術後はなぜかスッキリする」という感覚は、気の流れが回復したサインです。
イライラは、あなたの性格が悪いのではありません。
身体が「もう限界です」と言っているサインです。そのサインを、丁寧に受け取ってあげてください。
— 山口 美樹
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